市民と方向性共有し挑戦=内外情勢調査会で講演―上定松江市長

 松江市の上定昭仁市長は11月18日、市内のホテルで開かれた内外情勢調査会で「夢を実現できるまち 誇れるまち松江」と題して講演した。上定氏は、市が3月に策定した総合計画を基に「オール松江市として方向性を共有して、新しい取り組みにも果敢にチャレンジしていく」と強調した。

 総合計画の策定に当たり、タウンミーティングやアンケートを実施して市民約2000人の意見を聞いたという。地方が抱える問題は共通項目が多いながら「市の問題認識を明確にした上で、松江にしかない総合計画を作る必要があった」と振り返った。

 上定氏は、松江城や茶の湯文化といった「松江にしかない強みが市民に浸透していない」と指摘。「強みにいかに磨きをかけて発信していくかを注力すべきだ」と語った。総合計画は「どういう未来を描いているかビジュアルで示したかった」として、2030年の将来像をイメージしたイラストを用いている。

 子育て支援では、市に「生まれてよかった」、市で「育ててよかった」と思える取り組みを実践している。AIによる保育所入所選考システムを導入し、これまで10日ほどかかっていたのが約10秒で選考結果が出るようになった。上定氏は「行政の負担軽減にもつながり、市民のニーズに近い形で結果を届けることができる」と話した。

 環境分野では、コンタクトレンズの空ケースや使用済みのペンなどのリサイクルボックスを市内に順次設置している。「市民に参加いただき、リサイクルの機運を醸成していく」と語った。(了)