2023年7月5日(水)
住んでよし、訪れてよし」強調=内外情勢調査会で講演―花角新潟知事
新潟県の花角英世知事は1月26日、新潟市内で開催された内外情勢調査会で県政の課題について講演した。県の目指す姿として就任当初から掲げる「住んでよし、訪れてよしの新潟県」の実現に向けた取り組みを紹介。「新潟に住む人が、自信を持って住み続けたいという状況を目指したい」と強調した。
具体的な取り組みのうち脱炭素社会への転換では、国内生産の8割を新潟が占めている天然ガスや、雪をベースにした豊富な水資源などを活用したプロジェクトを進め、「2030年度に温室効果ガス排出量46%減を目指す」と説明。「課題は多いが、成長の種でもある」と述べ、洋上風力発電やバイオマス発電と併せて「新潟が再生可能エネルギーの供給基地として、存在感を見せたい」と意欲を語った。
デジタル化への対応では「教育と医療の分野で特に期待をしている」と話し、へき地や離島でのオンライン授業や遠隔診療を加速させるとした。行政ではロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)の活用を進めるほか、押印や収入印紙の廃止など、県民目線の行政サービスで「質の高い成果を上げる組織へ変革させる」とした。
農業分野では「コメ作り一本では付加価値をつけることは難しくなっている」と危機感をにじませた上で、3年前から始めた園芸振興で「販売額1億円以上の産地倍増」を目標に、県内85産地でハウス団地の整備や販路拡大活動を進めていると説明。21年度実績では1億円を超えた産地が12カ所増えたという。
アフターコロナの交流人口回復に向け、新潟空港の国際線再開と路線充実を目指すと強調。2本ある滑走路のうち1本を廃止し、跡地の再開発も含め活性化を検討する考えを示した。(了)