2023年7月5日(水)
万博中の県内イベントに注力=内外情勢調査会で講演―斎藤兵庫知事
兵庫県の斎藤元彦知事は5月15日、神戸市内で開かれた内外情勢調査会神戸・尼崎・阪神支部の合同懇談会で「躍動する兵庫~新時代への挑戦~」と題し、講演した。斎藤知事は、2025年開催の大阪・関西万博の期間に合わせて県内で開かれるイベント「ひょうごフィールドパビリオン」を紹介。「万博が終わった後、レガシーとしてさらなる兵庫県の活性化につながると確信している」と成功に向けて力を込めた。
フィールドパビリオンは持続可能な開発目標(SDGs)をテーマに体験できたり、学べたりするイベントを県内100カ所以上で開催する企画。知事は企画の一つとして、スライドで兵庫県広域防災センターが実施する「防災体験学習」を説明。25年に阪神大震災から30年となるとし、「兵庫県が育んできた防災先進県としての強みを発信したい」と話した。
教育分野では、斎藤知事は23年度から6年間で300億円を支出し、県立高校の設備更新などに充てると説明。県内の高校生の75%が公立学校に通学していることや部活動の備品などの老朽化が進んでいることを挙げ、「環境整備をしっかりやっていくことが教育の質を上げることにつながる」と強調した。
新型コロナウイルスの感染が収まりつつある中、物流や人の往来は活発化し、県内の製造業や観光業などの分野では人手不足が深刻化している。斎藤知事は外部の有識者らで構成する「人手不足問題対策会議」(仮称)を7月に設置し、人手不足解消に向けた対策を図る考えも示した。
斎藤知事は「先が見えない難しい時代だが、先を見据えて何が正しいかを信じ、一定の仮説を信念としてやっていくことが大事だと思う」と述べ、講演を締めくくった。(了)