「九州全体で半導体企業集積」=内外情勢調査会で講演―蒲島熊本知事

 熊本県の蒲島郁夫知事は5月18日、熊本市内で開かれた内外情勢調査会熊本・八代支部の合同懇談会で「逆境の中にこそ夢がある~不可能を可能に~」と題し、講演した。蒲島氏は、生い立ちから知事就任までの歩み、県政4期の取り組みを振り返った。これからの取り組みの一つとして、蒲島氏は「九州全体で、半導体関連企業を集積させたい」と強調した。

 県内には、半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)や東京エレクトロンなど、半導体関連企業の集積が進む。県内の大学や高専、短大などは、半導体関連人材を育成する学部や学科を新設することで、人材不足に対応する。蒲島氏は「一時的には(人材は)足りないかもしれないが、長期的には潤う」と自信を見せ、「熊本がリーダーシップを取って半導体関連人材を育成している」と強調。「世界中の学生が半導体はいいと思うようになれば、世界中から来てくれる。そのような素晴らしい熊本にしなければならない」と意気込みを語った。

 TSMCの工場などが立地する周辺地域の環境整備も進める。蒲島氏は「半導体工場の近くに中九州横断道路や九州中央自動車道のインターチェンジを造り、(製品を)運び出せるように道路の整備を進める」と強調した。脱炭素化を掲げる企業の要望にも応えるため、輸送距離が短くて済む半導体製品の販売先など、協力企業の集積も目指すという。蒲島氏は「熊本に良い印象をTSMCに持ってもらう。そうすれば、第2、第3工場の誘致も夢ではないと思う」と話した。(了)